ちょっと開いてみたりすると楽しい。
ねこのミャーはもう15歳になり、昔は駆け上がっていた階段をのっそのっそと歩いていく。
やっぱりここは僕のふるさとなんだ。
ヤンキーに絡まれたりするし、買い物も不便だけどいいんだ。
ミャーと同じくらいの頃によく机の上で歌ってた。
それはそれは鼻垂れの獣だったけど、どこか凛とした強さをもっていた。今の自分も同じように惹かれるところだから覚えてるのかもしれない。周りの人たちは大人になった、と言って笑う。いや、「周りの人たちと自分」なんだろう。優しい嘘がつけるのは素敵なことだけど、どこか諦観が漂ってしまうのは頷けない。
かっこつけるわけじゃなくて、美しいものに素直にならないと、無気力な生活が続くだけだ。