2014年12月25日木曜日

あなたと過ごしたあの夏の日々

笠木透さんが亡くなった。

何年か前に、上野の水上音楽堂の客席に座っている笠木さんを見た。
反戦を歌う仲間を、じっと見つめていた。大きな人だった。

幼い頃、記憶が始まるか始まらないかの、曖昧な時から笠木さんの音楽に触れていた。
いま考えると、わらぶき屋根の家 なんて悲しい歌を家族みんなで歌っていたのだから面白い。


"逃げるようにあの村を出てきたのだけれど 
いつの日か帰りたい ふるさとの家"


父も母ちゃんもいなくなり、
友達も犬も、小さな妹もいなくなる話。

それでも、陽気なメロディーが弾んだ。

笠木さんの音楽は鮮やかで柔らかい。
あれからずっと、どんな音楽にも絵にも「笠木さんのようなもの」を探していたのかも知れない。

笠木さん、ありがとうございました。